電機、自動車、機械業界などの労働組合であるIGメタルの執行部は11日、次期労使交渉でベースアップ5.5%を要求する方針を各地区の支部に勧告することを決定した。各支部の反応を踏まえて27日に最終決定を下し、1月から交渉を開始する。協定期間は12カ月とする考え。
執行部は、主要経済研究所が10月に発表した秋季経済予測で、ドイツの国内総生産(GDP)成長率が今年1.3%、来年1.2%に達するとしたことや、独連邦銀行(中銀)が大幅な賃上げを通した内需拡大を支持していることを踏まえ、ベア要求は妥当だとの立場を強調した。コメルツ銀行のエコノミストはロイター通信に、不透明なドイツの景気を踏まえるとベア交渉は3%で妥結するとの見方を示した。
一方、化学業界労組IG BCEは10日の執行部会で、◇ベア4~5%◇60歳以上の労働者の週労働時間を3~4日に短縮できるようにする――を次期労使交渉で要求する方針を固めた。ベア協定の期間は12カ月。最終方針は1月22日に決定する。