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2014/11/12

総合 - ドイツ経済ニュース

独政府が歳出拡大へ、国内外の批判受け

この記事の要約

ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相は6日、2016~18年の国(連邦)の歳出額を従来計画よりも100億ユーロ拡大する方針を明らかにした。景気減速を受けた措置としている。同国に対しては公共投資の引き上げを通して内需を […]

ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相は6日、2016~18年の国(連邦)の歳出額を従来計画よりも100億ユーロ拡大する方針を明らかにした。景気減速を受けた措置としている。同国に対しては公共投資の引き上げを通して内需を拡大し、低迷する欧州経済のテコ入れをはかるべきだとの要求が国内外から出ており、これに歩み寄った格好だ。2015年に均衡財政を達成するとした目標は堅持している。

ドイツに対する歳出拡大要求は、ギリシャの財政危機に端を発するユーロの信認問題が深刻になった2010年当時から出ており、最近ではフランス政府が総額500億ユーロの公共投資を迫った。国内にもこれに呼応する動きがあり、Ifoなど有力経済研究所は10月上旬に公表した共同作成の秋季経済予測で、現在の厳しい経済状況下では景気刺激に向けた財政措置が必要だと指摘。ドイツの財政にはそうした政策を実施するだけの余地があるとして、投資・経済成長を促進する税制の導入や税負担の軽減、歳出拡大に取り組むよう促した。中道左派の与党・社会民主党(SPD)内からも同様の要求が出ていた。

ショイブレ財務相は歳出拡大方針をメルケル首相、ガブリエル経済相(副首相)とすでに協議したことを明らかにした。ガブリエル経済相は家屋の暖房効率引き上げと省エネの分野で歳出を拡大したいとしている。