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2014/11/12

企業情報

シーメンス―補聴器部門売却―

この記事の要約

電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は6日、補聴器部門のシーメンス・オーディオロジー・ソリューションズをスウェーデンの投資会社EQTパートナーズと独ストルングマン一族の持ち株会社サント・ホールディングに売却することで合意 […]

電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は6日、補聴器部門のシーメンス・オーディオロジー・ソリューションズをスウェーデンの投資会社EQTパートナーズと独ストルングマン一族の持ち株会社サント・ホールディングに売却することで合意したと発表した。エネルギー関連事業に経営資源を集中する戦略の一環で、売却額は21億5,000万ユーロに上る。

シーメンスは収益力の高いエネルギー関連事業に集中する戦略を推進しており、今年に入って石油・天然ガス採掘用タービン、コンプレッサーを手がける米ドレッサー・ランドと、英ロールス・ロイスのガスタービン、コンプレッサー事業の買収で合意。補聴器などヘルスケア部門は分離または売却する方針で、8月に医療情報システム部門の米社への売却を発表したばかりだった。

同社は当初、補聴器部門を分社化し、上場する予定だった。しかし、株式市場が不安定なことから方針転換し、売却を決めた。売却益はドレッサー・ランド、ロールス・ロイスの事業買収資金に充てる。

一方、シーメンスが同日発表した2014年9月通期決算は、最終損益が55億700万ユーロの黒字となり、黒字幅は前年同期から25%増加した。資産売却益が利益を押し上げた。ただ、売上高は事業基盤が縮小したことや、為替変動が不利に作用した影響で、2%減の783億5,000万ユーロに後退した。