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2014/11/12

企業情報

ダインブス・デーエー―バス市場の過当競争で倒産―

この記事の要約

ドイツの長距離バスサービス会社ダインブス・デーエー(DeinBus.de、オッフェンバッハ)が経営破たんしていたことが8日、明らかになった。市場の過当競争を受けて資金繰りが悪化。債務超過に陥ったため、会社更生手続きの適用 […]

ドイツの長距離バスサービス会社ダインブス・デーエー(DeinBus.de、オッフェンバッハ)が経営破たんしていたことが8日、明らかになった。市場の過当競争を受けて資金繰りが悪化。債務超過に陥ったため、会社更生手続きの適用をオッフェンバッハ区裁判所に提出した。

ダインブスは独長距離バス市場が自由化(2013年)される以前の09年から事業を展開している。乗客をインターネットで募り、一定の利用人数に達した場合にのみ運航するというもので、運行は提携先のバス会社に委ねている。

同社に対しては長距離バス市場の独占を法律で認められてきたドイツ鉄道(DB)が差し止め訴訟を起こしたものの、11年に敗訴。これが同市場の自由化に弾みをつけた。

自由化後は数多くの企業が同市場に参入し、激しい価格競争を繰り広げている。大手は巨大な資本を背景に競争を続ける体力があるが、ダインブスは学生が起業した従業員25人の小企業で、資金力がもともと乏しかった。このため、事業の継続には経済力のある投資家の確保が欠かせないとみられている。

コンサルティング会社イーゲスの調べによると、独市場最大手はマインフェルンブスで、シェアは45%に上る。これにフリックスブス(同23%)、DBが出資するベルリンリーニエンブスとICブス(計12%)、ADACポストブス(8%)が続く。ダインブスは2%。