独投資会社トコス・ベタイリグンクは7日、独ワイン販売大手のハヴェスコ・ホールディング(ハンブルク)に対する株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。ハヴェスコの事業国際化を促進するとともに、利益率を引き上げることが狙い。ハヴェスコの配当性向(当期純利益のうち配当に回る金額の割合)については引き下げたいとしている。
トコスはハヴェスコの第2位株主で、同株29.5%を保有する。筆頭株主はハヴェスコのアレクサンダー・マルガリトフ社長で、30%を持つ。
トコスはハヴェスコ株を1株当たり40ユーロで取得する考え。これは6日の終値を約5%上回る水準で、全株式を取得するとTOB総額は2億5,300万ユーロに上る。筆頭株主となることが狙いだとしており、過半数資本の確保をTOBの成立条件としていない。
ハヴェスコはフランクフルト市場(SDAX)に上場する企業で、「ジャックス・ヴァインデポー」ブランドの実店舗を280カ所で展開。レストランへの納入と通販も行っている。昨年の売上高は4億6,520万ユーロで、最終利益1,620万ユーロを計上した。
トコスはハヴェスコの将来性が特にオーストリア、スイス、ベネルクス諸国、デンマーク、スウェーデン市場で大きいとみている。これらの国での事業拡大資金を確保するため、配当性向をこれまでの65~95%から40~50%に引き下げる意向だ。