英大手銀行HSBCがドイツのM&A(合併・買収)仲介事業拠点を金融都市フランクフルトから、独法人(HSBCトリンカウス)の所在地であるデュッセルドルフに移管した。広報担当者などへの取材をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が11月27日付で報じた。
フランクフルトはロンドンに次ぐ欧州の金融センターで、主要銀行の本社や銀行のM&A拠点、M&Aに特化した弁護士事務所などがひしめいている。それにもかかわらずHSBCがM&A拠点を同市からデュッセルドルフに移管したことについて広報担当者は、◇M&Aの専門行員が他の分野の行員とのコミュニケーションを緊密化できる◇デュッセルドルフを州都とするノルトライン・ヴェストファーレン州は顧客である企業の集積度が高い――と説明した。フランクフルトでM&A仲介事業を展開してみて、同市で事業を継続するメリットがないことが分かったとしている。
消息筋の情報としてFAZ紙が報じたところによると、M&A仲介業務のデュッセルドルフ移管を主導したのはHSBCトリンカウスのノルベルト・ライス新社長という。
株式資本市場(ECM)事業はこれまでに引き続きフランクフルトで展開する。