ワイヤーロープを利用しないエレベーターのコンセプトを鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップが11月27日、世界で初めて公開した。これまでのエレベーターに比べて輸送能力が高いうえ、スペースも少なくて済むメリットがある。2016年末から試作機でテストを開始する予定だ。
「MULTI」と命名された同エレベーター・システムではリニアモーターを利用してかごを移動させるのが特徴。ロープがないため1つのシャフト内を複数のかごが同時に移動できる。また、垂直移動に加え、水平移動も可能だ。かごは1時間当たり18キロメートル移動できることから、同社は特に高さ300メートル以上の超高層ビルで需要を見込んでいる。
試作機用のタワーは現在、西南ドイツのロットヴァイル市で建設中だ。