化学大手の米セラニーズが欧州事業の統括拠点を独フランクフルト近郊のズルツバッハからオランダに移管する。広報担当者が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたもので、税コストの削減が最大の理由だと説明した。蘭アムステルダムに新会社を設立、2月1日付で業務を開始する。
セラニーズは1918年の設立の米企業だが、1987年に化学・製薬大手の独ヘキストに吸収合併された。ヘキストは90年代末の組織再編で製薬会社アベンティスに発展解消。買い手のつかなかった化学事業をセラニーズとして再スタートさせた。
セラニーズは2004年、投資会社ブラックストーンに買収され、05年には本社を米国に移管した。従業員数は現在、7,400人で、欧州はそのうち2,600人を占める。ドイツはズルツバッハが400人、フランクフルトのヘキスト工業団地にある生産・開発拠点が1,000人となっている。
アムステルダムの新会社では管理職が60~65人勤務する。そのうち30~35人はズルツバッハからの転勤組が占める見通し。「(新会社は)事業活動の実態がないペーパー会社ではない」と広報担当者は強調している。