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2015/2/18

経済産業情報

モノクローナル抗体製剤の後発薬、独市場に初登場

この記事の要約

米ジョンソン・エンド・ジョンソンのモノクローナル抗体製剤である「レミケード」のバイオシミラー(バイオ医薬品の後発薬)を、米製薬会社ホスピラが16日、ドイツ市場で発売した。レミケードの同国特許が失効したためで、バイオシミラ […]

米ジョンソン・エンド・ジョンソンのモノクローナル抗体製剤である「レミケード」のバイオシミラー(バイオ医薬品の後発薬)を、米製薬会社ホスピラが16日、ドイツ市場で発売した。レミケードの同国特許が失効したためで、バイオシミラーを「インフレクトラ」の製品名で販売する。モノクローナル抗体製剤の後発薬がドイツで販売されるのは今回が初めて。ホスピラの独法人社長への取材をもとに経済紙『ハンデルスブラット』が報じた。

レミケードは関節リウマチ、クローン病などの治療薬で、直近の世界売上高は約70億ユーロに上った。ドイツでは米MSDが販売。患者1人当たりの治療費用は1万5,000~3万ユーロで、独売上高は約3億ユーロに上る。

ホスピラはインフレクトラの販売により、独売上高をこれまでの3倍に拡大するとしている。独売上は公表していない(欧州・中東・北アフリカ事業の売上高は4億7,000万ユーロ)。

バイオシミラーは一般の後発医薬品と異なり開発コストがかさむため、オリジナル薬との価格差が比較的小さい。ホスピラもインフレクトラの価格をレミケードの8割程度とする考えだ。

MSDはレミケードの独特許失効直前に、公的健康保険組合と割引販売契約を結んだ。バイオシミラーの需要拡大を抑制することが狙いで、後発医薬品業界団体プロ・ゲネリカはこれを不当な措置だと批判。特許薬の割引契約を2年間禁止することを政府に求めている。