エネルギー大手の独RWE（エッセン）は10日の決算発表で、コスト削減目標を引き上げた。再生可能エネルギーの急増を受けて火力発電の採算が悪化しているためで、2017年までに12年比で年15億ユーロ圧縮するとした従来目標を同20億ユーロに変更した。
2014年12月期の営業利益は40億1,700万ユーロで、前期を25.2％下回った。ペーター・テリウム社長は「従来型発電の枠組み条件が我々の対処能力を上回るスピードで悪化している」と厳しい現状を説明した。15年12月期は36億～39億ユーロに低下すると予想している。
14年12月期の最終損益は前期の赤字（27億5,700万ユーロ）から17億400万ユーロの黒字に転換した。比較対象の13年12月期は火力発電所で合わせて約50億ユーロの評価損を計上したという事情があり、今回の黒字転換は業績改善を意味しない。発電量と天然ガス販売量はそれぞれ4.5％減の2,083億キロワット時（kWh）、12.3％減の2,813億kWhに後退。売上高は7.5％減の484億6,800万ユーロに落ち込んだ。
12月末時点の純債務は310億1,000万ユーロで、1年前に比べて0.9％増加した。今年は石油・天然ガス採掘子会社Deaを売却したことから債務の減少が予想される。
