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2015/3/18

総合 - ドイツ経済ニュース

中国主導のアジアインフラ銀、独が参加の意向

この記事の要約

ドイツのショイブレ財務相は17日、中国の馬凱副首相とベルリンで会談し、中国の主導で設立予定のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立メンバーになる意向を表明した。AIIBは米国の影響力が強い世界銀行および、日米が最大の出 […]

ドイツのショイブレ財務相は17日、中国の馬凱副首相とベルリンで会談し、中国の主導で設立予定のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立メンバーになる意向を表明した。AIIBは米国の影響力が強い世界銀行および、日米が最大の出資国となっているアジア開発銀行(ADB)と直接競合するため、米国は参加しないよう各国に呼びかけていた。英国はすでに加盟申請しており、フランスとイタリアも参加の方向とされることから、欧州連合(EU)の主要5カ国のうちスペインを除く4カ国が加わる見通しだ。

AIIBは中国の習近平国家主席が2013年秋のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で提唱した機関で、14年10月に計21カ国が設立の覚書に調印した。年内に設立の予定。世銀やADBではカバーしきれない莫大なアジアのインフラ資金需要を代替・補完的に賄うことを目的としているものの、東南アジアなどで中国の影響力を強め、米国の勢力を弱めることが真の狙いだとの見方も強い。

欧州議会のマルティン・シュルツ議長はEUの主要4カ国がAIIBに参加することを歓迎するとの立場を示した。他のEU加盟国が参加することにも肯定的だ。ただ、融資審査基準の不透明さなどへの懸念があることを踏まえ、「(AIIBは)国際的に受け入れられる基準に基づいて手続きを進めなければならない」と注文も付けた。