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2015/3/18

企業情報

ホルシム―ラファージュに合併条件変更を要求―

この記事の要約

セメント大手のホルシム(スイス)は16日、合併で合意している仏同業ラファージュに対して、合併条件の見直しを求めると発表した。企業価値が合併合意後に大きく変動し、対等合併では同社に不利になるため、「現在の方式で合併を進める […]

セメント大手のホルシム(スイス)は16日、合併で合意している仏同業ラファージュに対して、合併条件の見直しを求めると発表した。企業価値が合併合意後に大きく変動し、対等合併では同社に不利になるため、「現在の方式で合併を進めることは、もはやできない」と主張。株式交換比率の変更と、合併で誕生する新会社の最高経営責任者(CEO)のポストをホルシムが確保することを要求する。

両社は昨年4月に合併で合意し、世界最大のセメント会社となる「ラファージュホルシム」が発足することになっていた。合併は株式交換方式で、交換比率は1対1とすることで合意していた。

ここにきてホルシムが合併条件に異議を唱えたのは、合併で合意した後の業績が好対照で、同社の企業価値が高まったと判断したため。昨年10~12月期の最終損益は、ホルシムが4億5,800万スイスフラン(約4億3,000万ユーロ)の黒字となり、黒字幅は前年同期から43.5%増加したのに対して、ラファージュは1億4,500万ユーロの赤字だった。これを受けて合併合意後の株価はホルシムがユーロ建てベースで6.4%上昇したが、ラファージュは5.5%下落している。

ラファージュは同日発表の声明で、株式交換比率の変更には応じる用意があることを明らかにしながらも、新会社のCEOにラファージュのブルーノ・ラフォンCEOが就任するという合意を見直し、ホルシムが同ポストを握るという要求は受け入れられないとしており、合併に暗雲が漂ってきた。

消息筋が英フィナンシャル・タイムズに明らかにしたところによると、ホルシムは株式交換比率をラファージュ1株につきホルシム0.875株とすることを要求。これに対してラファージュは、ラファージュ1対ホルシム0.93株なら応じる方針を示しているという。

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