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2015/3/18

経済産業情報

軍需大手が国に損賠請求、対ロ輸出許可の取り消しで

この記事の要約

独軍需大手のラインメタルが連邦経済省傘下の連邦経済輸出監督庁(BAFA)に損害賠償の支払いを請求した。一度許可したロシア軍向けの輸出を同庁が撤回したことで損失が発生したためだ。『南ドイツ新聞』が同社とBAFAへの取材をも […]

独軍需大手のラインメタルが連邦経済省傘下の連邦経済輸出監督庁(BAFA)に損害賠償の支払いを請求した。一度許可したロシア軍向けの輸出を同庁が撤回したことで損失が発生したためだ。『南ドイツ新聞』が同社とBAFAへの取材をもとに報じた。

ラインメタルは2011年、戦闘シミュレーション訓練施設をロシア軍から1億3,500万ユーロで受注した。同施設はニジニ・ノヴゴロドの西およそ70キロのムリノに設置するトレーニングセンター向けで、すでに建設作業が進められていたが、対ロ制裁を検討する欧州連合(EU)が14年7月末にロシアとの武器取引禁止を取り決めたことを受けて、BAFAは許可を取り消した。

EUの同取り決めは新規の取引を対象としており、既存取引は対象外だった。このため、ラインメタルに対する輸出許可の取り消しは同取り決めの範囲を超えており、同社は株主の利害を踏まえて損賠請求に踏み切った。