ドイツ連邦統計局は23日、輸出高から輸入高を差し引いた貿易収支の黒字額が昨年は前年比11.2%増の2,169億ユーロ(暫定値)となり、2007年に記録した過去最高(1,953億ユーロ)を大幅に上回ったと発表した。2月に発表したデータでは経常黒字も13.8%増の2,153億ユーロと大きく拡大しており、黒字削減を求める国外からの圧力は一段と強まりそうだ。
統計局は今回、国際的な比較のためには貿易黒字の額そのものよりも貿易総額(輸出+輸入)に対する貿易黒字の比率をみた方が適切だと指摘。14年の同比率は10.6%で、02年から05年にかけての水準、および07年の水準を下回ったことを強調した。
Ifo経済研究所の試算によると、ドイツの経常黒字は昨年2,850億ドルに達し、2位の中国(1,500億ドル)を引き離してダントツ1位だった。3位は産油国サウジアラビアで、1,000億ドル。
独経常黒字の対国内総生産(GDP)比率は約7.4%に達した。欧州連合(EU)の欧州委員会は昨年3月、同比率で6%超が持続すると域内の経済的な安定が損なわれるとして、独政府に内需拡大を勧告したが、効果が出なかった格好だ。