ドイツの鉄道車両・インフラ業界団体VDBは14日、独業界の2014年の売上高が前年比25%増の125億ユーロとなり、過去最高を更新したと発表した。車両が好調で全体が強く押し上げられた格好。新規受注高は過去最高となった前年の反動もあり36%減の95億ユーロと大きく落ち込んだ。
車両の売上高は国内が44%増の49億ユーロと特に好調だった。受注残が多かったほか、鉄道車両の認可手続きが簡素化されたことで、認可手続き中だった車両の承認が急速に進み売上増につながった。国外での車両売上高は25%増の46億ユーロだった。
鉄道インフラ部門の売上高は横ばいの30億ユーロで、国内は5%減の18億ユーロに落ち込んだ。ただ、ドイツの鉄道インフラ更新予算が今年から大幅に引き上げられたため、今後は増加が見込まれる。
VDBによると、新規受注高が大きく落ち込んだ背景には前年の反動のほか、ロシア、中国市場の変化がある。ロシアでは欧米の経済制裁を受けて中国勢の勢力が拡大。中国では自国製品を使う傾向が強まっているうえ、車両の輸出攻勢も強化しており、ドイツの車両メーカーは激しい競争にさらされている。