製薬・化学大手の独バイエル(レバークーゼン)が家庭園芸用薬剤事業の売却に向けて動き出したもようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が薬剤・金融業界の情報として報じたもので、すでに売却先となり得る候補企業に文書を送付したという。広報担当者は同紙の問い合わせに回答を控えたものの、買収や提携など戦略的なオプションを複数、検討していると述べた。売却先がなければそうした措置を取るとみられる。
バイエルの家庭園芸用薬剤事業は農業科学部門クロップ・サイエンスの傘下に置かれている。昨年の売上高は2億2,000万ユーロで、米スコッツ、モンサントに次ぐ世界3位につけている。ただ、収益力は弱いもようで、関係者は同紙に「売却益はせいぜい1億ユーロ強にとどまる」との見通しを示した。