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2015/6/3

経済産業情報

中国証券の人民元建て売買が独で可能に

この記事の要約

フランクフルト証券取引所などを運営するドイツ取引所は5月27日、上海証券取引所(SEE)、中国金融先物取引所(CFFE)と戦略提携合意したと発表した。中国の株式や債券、上場投資信託(EFT)を中国以外の投資家が人民元で売 […]

フランクフルト証券取引所などを運営するドイツ取引所は5月27日、上海証券取引所(SEE)、中国金融先物取引所(CFFE)と戦略提携合意したと発表した。中国の株式や債券、上場投資信託(EFT)を中国以外の投資家が人民元で売買できるようにする計画で、合弁会社「中欧国際取引所(China Europe International Exchange)」をフランクフルトに設立する。同市では中国銀行が人民元の決済業務を手がけており、地元ヘッセン州のアルワジール経済相は「フランクフルトはユーロ圏最大の人民元取引市場としての地位を強化することになる」と述べ、今回の提携に歓迎の意を示した。

合弁会社は第4四半期に立ち上げる予定。出資比率はドイツ取引所とSEEがそれぞれ40%、CFFEが20%。

今回の合意により中国サイドは政府が進める金融市場の自由化と人民元の国際化政策を加速させる考えだ。ドイツ取引所は欧州市場の低迷を受けてアジア事業を強化しており、その重要な一歩としてSEE、CFFEとの戦略提携に踏み切った。

独連邦銀行(中銀)と中国人民銀行(同)はドイツ企業の対中輸出を後押しするために昨年3月、フランクフルトを人民元の決済センターにすることで合意した。中国銀行はこれを受けて昨年11月から、同市で決済業務を行っている。