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2015/6/3

経済産業情報

「独空港セキュリティチェックは不十分」、欧州委が提訴

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は5月28日、ドイツ当局の空港セキュリティチェック体制は民間航空の安全性を定めたEU指令(No 300/2008)に違反しているとして、同国を欧州司法裁判所(ECJ)に提訴したと発表した。同司 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は5月28日、ドイツ当局の空港セキュリティチェック体制は民間航空の安全性を定めたEU指令(No 300/2008)に違反しているとして、同国を欧州司法裁判所(ECJ)に提訴したと発表した。同司令に基づいてセキュリティ管理が行われているかどうかを十分にチェックしていないことが昨年末の調査で判明したため。すでに過去の調査でも問題が発覚しドイツに改善を求めていたが、適切な措置が取られないため裁判に踏み切った。

同司令は犯罪やテロの防止に向けて制定されたもので、欧州委は同指令に基づく適切なセキュリティチェックが空港で行われているかどうかを覆面調査で定期的に調べている。

昨年12月に実施した調査ではフランクフルト、デュッセルドルフなどの国際空港でセキュリティチェックに重大な欠陥があることが判明。調査官が武器や危険物を機内に持ち込もうとしたところ、約50%の確率で成功した。ドイツの空港は12年12月の調査でもチェク体制に問題があることが判明しており、独当局が昨年12月までの2年間、適切な改善策を施していなかったことが明らかになった。