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2015/6/24

経済産業情報

携帯電話の周波数帯入札、落札総額は史上2位の50.8億ユーロに

この記事の要約

携帯電話の周波数帯割り当てに向けて独連邦ネットワーク庁が実施していた入札が19日、終了した。ドイツテレコムとボーダフォン、テレフォニカの3社が応札。16日に渡るオークションの末、計31のブロックを合わせて50億8,124 […]

携帯電話の周波数帯割り当てに向けて独連邦ネットワーク庁が実施していた入札が19日、終了した。ドイツテレコムとボーダフォン、テレフォニカの3社が応札。16日に渡るオークションの末、計31のブロックを合わせて50億8,124万ユーロで落札した。落札総額は同周波数帯割り当て入札で最高となった2000年の500億ユーロを大きく下回ったものの、史上2位の規模となった。

入札の対象となったのは700メガヘルツで6ブロック、900メガヘルツで7ブロック、1.5ギガヘルツで8ブロック、1.8ギガヘルツで10ブロック。このうち700メガネヘルツはこれまでテレビに使われてきた周波数帯で、ドイツは欧州で初めて携帯電話に割り当てた。

周波数は低ければ低いほど伝送できる情報量が少ないものの広い範囲に電波を飛ばすことができる。一方、高ければ高いほど、情報量が増えるものの、電波を遠くまで飛ばすことが難しい。このため、周波数が低い700メガヘルツは人口が少ない地方に向いており、周波数が高い1.8ギガワットは都市部に向いている。

落札額が最も大きかったのはボーダフォンで、計20億9,084万ユーロに達した。同社の通信網は接続が悪く、これが顧客流出につながっていることから、周波数帯を最も多く落札。費用が膨らんだ。ドイツテレコムは17億9,216万ユーロ、テレフォニカは11億9,824万ユーロだった。テレフォニカは競合Eプルスを買収したため、新たな周波数帯を確保するニーズが比較的少なかった。3社が今回、落札した周波数帯の免許は17年から15年間有効。

政府は18年までに最低50メガビット毎秒の通信速度を全国津々浦々で実現する目標の達成に向けて今回の入札を実施した。落札した企業は通信網への投資を通して3年以内に同目標を実現しなければならない。また、今回の入札収入のうち13億3,000万ユーロは通信網拡充向けの補助金に充てられる。連邦政府はこれとは別に、固定網通信に今後3年間で11億ユーロを投資する計画だ。