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2015/7/1

経済産業情報

電気ドライブトレイン分野で産学が協力、共同コンセプト作成へ

この記事の要約

インフィニオンやBMWなどの民間企業と大学・研究機関は6月24日、電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)向け電動ドライブトレインの共同コンセプト作成に向けた研究プロジェクトを立ち上げた。EV、HVの分野でドイツの自動 […]

インフィニオンやBMWなどの民間企業と大学・研究機関は6月24日、電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)向け電動ドライブトレインの共同コンセプト作成に向けた研究プロジェクトを立ち上げた。EV、HVの分野でドイツの自動車産業が主導的な地位を獲得できるようにすることが狙い。

HV-ModAL(「高出力化に向けたモジュール・ドライブトレイン・トポロジー」の略)と命名された同プロジェクトでは電動ドライブトレイン・プラットホームの共同コンセプトを2017年末までに作成する。航続距離が長い高出力車両の実現につなげるほか、幅広いメーカーの車両に適した汎用性の高いモジュールシステムを開発する。モジュール化することでコスト削減につなげる考えだ。

プロジェクトにはインフィニオンとBMWのほか、ダイムラー、ボッシュ、AVL(ドライブトレイン開発会社)のシュツットガルト、レーゲンスブルク拠点、フラウンホーファー IIS(集積回路研究所)、ハノーバー大学、ミュンヘン連邦軍大学、アーヘン工科大学が参加。インフィニオンが主導役を務める。投資額は約750万ユーロで、そのおよそ半分を連邦教育研究省(BMBF)が助成する。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、BMWは同社製EV「i3」、HV「i8」で培ったノウハウを持ち込むという。

参加企業・機関は18年以降、プロジェクトの成果を自社製品の開発に活用する。インフィニオンのイェルク・ティーレ研究開発シニア・プロジェクト・マネージャーは同紙に、2020年には同モジュールシステムの一部部品が車両に搭載され、25年には完成した同モジュールシステムが登場するとの見方を示した。