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2015/9/16

経済産業情報

独化学・製薬業界に技術革新力低下の懸念

この記事の要約

独化学工業会(VCI)は14日、国内の化学・製薬会社2,000社を対象に実施したアンケート調査の結果を発表し、独業界は技術革新の面で危うい状況にあるとの危機感を表明した。当局の規制という外面的な要因と、企業の内面的な要因 […]

独化学工業会(VCI)は14日、国内の化学・製薬会社2,000社を対象に実施したアンケート調査の結果を発表し、独業界は技術革新の面で危うい状況にあるとの危機感を表明した。当局の規制という外面的な要因と、企業の内面的な要因の2つが問題だとしている。

同調査結果によると、技術革新の阻害要因として回答が最も多かった項目(複数回答可)は「許認可手続き」で、全体の55%に上った。医薬品・農薬メーカーに限ると81%と極めて高い。

欧州連合(EU)のREACH規則(化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則)も回答率が46%と高い。

「技術革新の環境がドイツよりも整っている国」に関する質問では米国を挙げる企業が64%で最も高く、これにインドと中国がそれぞれ44%で続いた。アジアは全般的に評価が高く、韓国を挙げる企業も28%に上った。日本は同13%だった。(グラフ参照)

調査では、これまで大企業に限られていた研究開発プロジェクト国外移管が中小企業にも広がろうとしていることも分かった。

技術革新を妨げる企業の内的要因に関しては◇新製品開発に伴う失敗のリスクを恐れて大胆な取り組みができない◇市場のニーズを無視・軽視した研究開発◇画期的な製品の売り込みに必要な新しい事業モデルの欠如――が挙げられている。

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