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2015/9/23

経済産業情報

大型IPOが10月上旬に3件、ベアリングのシェフラーは最大30億ユーロ

この記事の要約

ベアリング大手の独シェフラーは21日、10月5日に新規株式公開(IPO)を実施する計画を発表した。IPOの規模は25億~30億ユーロに上るもよう。10月上旬にはバイエルから先ごろ分離した化学大手コベストロと、不動産・自動 […]

ベアリング大手の独シェフラーは21日、10月5日に新規株式公開(IPO)を実施する計画を発表した。IPOの規模は25億~30億ユーロに上るもよう。10月上旬にはバイエルから先ごろ分離した化学大手コベストロと、不動産・自動車の売買仲介ポータルを運営するスカウト24もそれぞれ10億ユーロのケタ台のIPOを予定しており、ドイツでは大型株式公開が相次ぐ見通しだ。3社とも市場資金を債務の圧縮に充てる考え。

シェフラーは機関投資家を対象に私募を行って資金を調達する。優先株1億6,600万株を公開。そのうち6,600万株を新株、残りを発行済み株式が占める。浮動株比率は25%となる見通し。IPO後もオーナー企業であり続けるとしている。

同社は2008年に実施した自動車大手コンチネンタルに対する公開買い付け(TOB)で巨額の債務を抱え込み、経営破たんの寸前に追い込まれた。その後、債務の圧縮に取り組んでおり、今回のIPOで得る資金も債務削減に振り向ける。

コベストロのIPOは10月2日に予定されている。上場規模は25億ユーロに上る見通しで、親会社バイエルの出資比率は60~66%に低下することになる。

スカウト24は電気通信大手ドイツテレコムの元子会社。昨年に同株70%を米投資会社ヘルマン・アンド・フリードマン、ブラックストーンの2社が15億ユーロで譲り受け買収した。同2社はスカウト24のIPOを10月1日に実施し、市場資金9億~16億ユーロを調達する考えだ。

ドイツでは10億ユーロ規模を超える大型IPOが少なく、短期間に3件が集中するのは珍しい。