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2015/9/30

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フォルクスワーゲン―組織を分権化―

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は25日の監査役会で、グループの組織再編計画を承認した。権限を分散化し、市場動向に迅速に対応できる体制を構築する考え。 VWは4月に辞任したピエヒ監査役会長のもとで集権的に事業の拡 […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は25日の監査役会で、グループの組織再編計画を承認した。権限を分散化し、市場動向に迅速に対応できる体制を構築する考え。

VWは4月に辞任したピエヒ監査役会長のもとで集権的に事業の拡大を進め、トヨタ自動車に次ぐ世界2位メーカーに浮上した(今年上半期は世界1位を獲得)。だが、計12ブランドを持ち、世界販売台数も1,000万台を突破したことで、中央統制型の経営では市場動向に迅速対応できないなどの問題が浮上したため、分権型方針を打ち出した。

具体的には12ブランドを量販車、高級車、スポーツ車、商用車の4グループに編成する。量販車はVWブランド乗用車とセアト、シュコダの3ブランド、高級車はアウディ、ランボルギーニ、ドゥカティ(オートバイ)の3ブランド、スポーツ車はポルシェ、ベントレー、ブガッティの3ブランド、商用車はVWブランド商用車とMAN、スカニアの3ブランドでそれぞれ構成されるようになる。各地域の権限も強化する方針で、米国、メキシコ、カナダは新たな事業地域として一つにまとめられる。

VWは分権化に伴い、グループ全体の生産事業を統括する取締役ポストを同日付で廃止した。

一方、ヴォルフスブルク本社は今後、グループ全体の生産戦略、新事業分野の開拓、提携、コネクテッドカー、二酸化炭素(CO2)排出削減といった横断的な課題に取り組む。

同再編計画はディーゼル排ガス不正問題で23日に辞任したヴィンターコルン社長が中心となって作成した。

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