高級婦人服の製造・販売を手がける独エスカーダは1日、人員削減方針を明らかにした。同社は業績が悪化しており、コスト圧縮が緊急の課題となっている。エスカーダは2009年に経営破たんし、インドの富豪メグハ・ミタル氏に約6,000万ユーロで買収された。
人員削減の規模は明らかにしていないが、メディア報道によると、全従業員(2,000人弱)の10%に当たる200人を整理するもよう。ミュンヘン近郊のアッシュハイムにある本社では計450人のうち150人が対象になるという。経営上の理由による整理解雇の可能性を排除していない。
オーナーのメグハ・ミタル氏は印鉄鋼大手ミタル・スチールの会長であるラクシュミー・ミタル氏の義理の娘。買収当時は「エスカーダには高級ブランドの世界で新たな地歩を築くポテンシャルがある」と述べ、業績回復に自信を示していたが、経営状況は悪化。7月には就任後わずか半年で社長が辞任し、現在はイェルク・ヴェーラース財務担当取締役が代行している。今年は毎年恒例となっていたミュンヘンのオクトーバフェストに社員や取引先を招くことを断念した。
売上高は12年の3億2,000万ユーロから昨年は3億ユーロ未満に落ち込んだもよう。主要市場であるロシアと中国の大幅な販売減が響いている。