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2015/11/4

経済産業情報

家電大手BSHがダイソンを提訴、自社製品への不当な中傷と批判

この記事の要約

独ボッシュの白物家電子会社BSHハウスゲレーテは10月28日、競合の英ダイソンを相手取って民事訴訟を起こすと発表した。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題発覚後にダイソンの創業者であるジェームズ・ダイソン […]

独ボッシュの白物家電子会社BSHハウスゲレーテは10月28日、競合の英ダイソンを相手取って民事訴訟を起こすと発表した。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題発覚後にダイソンの創業者であるジェームズ・ダイソン氏が、BSHの掃除機も不正な手段で省エネ性能を高く見せかけていると発言したことを事実無根と批判。英国で裁判を起こすことにした。

ダイソン氏はメディアのインタビューで、「GL80」などボッシュの掃除機は欧州連合(EU)の家電省エネ規制の盲点を突いて省エネ性能を実際に使用した場合よりも大幅に高く見せかけていると指摘。具体的には、紙パックが試験モードである空の状態にあると電力消費量が少ないものの、ゴミが詰まった状態では吸引力を落とさないためにセンサーが働いて消費電力が大幅に増えると批判した。

BSH製掃除機が省エネ性能の最高評価である「AAAA」を受けているのは問題だとしており、当該製品の販売差し止めを求める裁判を複数の国で起こした。ドイツでは12月1日にベルリン地方裁判所で第1回目の審問が行われる。

BSHはこうした動きへの反撃を開始した格好だ。独商品テスト機関シュティフトゥング・ヴァーレンテストの最新の掃除機テスト結果を指摘。BSHの掃除機は高い評価を受けたが、ダイソン製品は合格ラインぎりぎりの「可(ausreichend)」にとどまったと強調した。

BSHのカルステン・オッテンベルク社長は、ダイソン氏は競合企業に対して極めて攻撃的に振る舞ってきたと述べたうえで、「(BSHに対する今回の)まったく根拠のない非難により、一線を超えた」と批判した。

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