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2015/12/9

企業情報

ボッシュ―車載システムでグーグルなどに対抗―

この記事の要約

自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は移動通信端末をテレマティクスと連動させる車載システムの分野で米IT大手グーグル、アップルに対抗し、独自のポジショニングを確保する意向だ。顧客の自動車メーカーの間にグーグルな […]

自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は移動通信端末をテレマティクスと連動させる車載システムの分野で米IT大手グーグル、アップルに対抗し、独自のポジショニングを確保する意向だ。顧客の自動車メーカーの間にグーグルなどへの警戒感が広がっていることを追い風として利用する戦略で、IT子会社ボッシュ・ソフト・テックのトルステン・ムラスコ社長は2日シュツットガルトで、「我々は(グーグル、アップルと並ぶ)第3のソリューション提供者として市場に地歩を築きたい」と抱負を語った。

ボッシュは車載システム「マイスピン(MySPIN)」を販売している。同システムを採用する自動車メーカーは現在、英ジャガーランドローバーに限られるものの、新たな顧客として中国の安徽江淮汽車(JAC)、長安フォードを獲得した。社名は伏せているものの欧州メーカー1社も新規顧客になるという。

グーグルは車載システム「アンドロイド・オート(Android Auto)」、アップルは同「カー・プレー(Car Play)」をそれぞれ展開し、世界の多くの自動車メーカーが採用している。ただ、メーカーの間にはコネクテッドカーでやり取りされる情報が米IT大手に大量に流れることへの警戒感が強く、ポルシェはスポーツ車「911」の次世代モデルにアンドロイド・オートを採用しないことを決定した。

マイスピンはアンドロイドOSのスマートホンでもアップルのスマホ「iPhone」でも利用できるニュートラルな車載システム。ボッシュはこれを武器に顧客を獲得していく考えだ。