太陽電池製造装置メーカーの独セントロサーム・フォトボルテイクス(ブラボイレン)は8日、同社株80%を管理するソル・フトゥラ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフトが保有する全株式を投資会社ソーラーパーク・ブラオタールに売却したと発表した。ソーラーパーク・ブラオタールにはセントロサームの創業者ロベルト・ハルトゥング氏などが出資しており、同氏は他の出資者の協力を得てセントロサームを買い戻したことになる。取引金額は明らかにしていない。
セントロサームは2012年、顧客企業の相次ぐ経営破たんや業績不振を背景に経営が急速に悪化しため、裁判所の承認を得て自己管理型の経営再建を開始した。13年に減資と増資の手続きを行い旧株主の出資比率を20%に引き下げるとともに債務を株式に転換。債権者は保有株合わせて80%を、ソル・フトゥラを設立して管理してきた。
ハルトゥング氏の出資比率はこれらの措置に伴い従来の50%から10%に低下した。
ソーラーパーク・ブラオタールは同氏と投資会社カタール・ソーラー・テクノロジーズ(QSTec)の合弁会社で、セントロサームの株式90%を獲得した。QSTecにはカタール・ソーラーが70%、独太陽電池大手ソーラーワールドが29%、カタール開発銀行が1%をそれぞれ出資している。
カタール・ソーラーはソーラーワールドの筆頭株主。セントロサームに主要顧客のソーラーワールドが間接出資することについてハルトゥング氏はシナジー効果が期待できるとしている。