独フィンテック(ITを活用した新しい金融サービス事業者)のデポジット・ソリューション(ハンブルク)は8日、米決済サービス大手ペイパルの共同創業者であるピーター・ティール氏が同社に資本参加すると発表した。ティール氏がドイツのフィンテックに出資するのはナンバー26、クレディトテックに続いて3社目。デポジット・ソリューションは同氏から得た資金を欧州事業の強化に充てる考えだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、同氏から100万ユーロを調達したもよう。
同社は2011年の設立で、「チンスピロート(Zinspilot)」という独自のプラットホームを用いてサービスを提供している。同プラットホームでは参加する複数の銀行のコール預金(普通預金のようにいつでも現金を引き出せるにもかかわらず比較的高い利息がつく預金)と定期預金の情報を提供。参加銀行の顧客は別の銀行に口座を開くことなくコール預金などを最も有利な条件の銀行のものに切り替えることができる。
ただ、同プラットホームに参加する銀行はこれまでのところ4行(独銀2行、墺銀1行、マルタの銀行1行)にとどまり、Ing-Diba、コメルツ銀行などの有力行は加わっていない。デポジット・ソリューションはこうした現状を打開したい考えで現在、別の4行と交渉を進めている。