ダイムラー子会社のタクシー割引キャンペーンに違法判決

自動車大手ダイムラーのタクシー配車サービス子会社、マイタクシーが行う運賃割引キャンペーンは旅客輸送法に違反するとしてタクシー配車業界団体が差し止めを求めている係争で、1審のフランクフルト地方裁判所は19日、原告勝訴を言い渡した。判決理由で裁判官は、「法律で定められたタクシー運賃を上回ることも下回ることも認められない」との判断を提示。マイタクシーのサービスを即日付けで禁止した。マイタクシーは同キャンペーンに違法性はないとしており、控訴するとみられる。

マイタクシーはアプリを用いた配車サービスを展開。時限キャンペーンとして現在、同アプリの利用者に運賃50%引きのタクシー乗車サービスを提供している。割り引いた50%はマイタクシーが負担するため、タクシー会社・運転手の収入は減少しない。だが、顧客からの電話を受けてタクシーを手配する従来型の配車センターにとっては大きな脅威であるため、各地で裁判が起きている。

マイタクシーの立場は、同社はアプリを使ってタクシーの仲介をしているに過ぎず、法定運賃を定めた旅客輸送法の拘束を受けないというもの。親会社ダイムラーはメディアの問い合わせに、マイタクシーはタクシー業界のデジタル化推進を目的としており、運賃の半分を負担するサービスは合法だとの立場を示した。

ダイムラーの本社所在地シュツットガルトではマイタクシーの同サービスに対し1審のシュツットガルト地方裁判所が仮差し止め命令を出したものの、2審のシュツットガルト高等裁判所は昨年11月、1審命令を破棄した。

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