BMW―蓄電池事業に参入―

自動車大手の独BMW(ミュンヘン)が蓄電池事業に参入する。経済誌『ヴィルツシャフツボッヘ』が21日オンライン版で報じたもので、同社のトップマネージャー(匿名)は「蓄電技術の分野で新規事業を立ち上げたい」と語った。同市場に先行参入した競合ダイムラー、テスラを追撃する。

電気自動車BMW「i3」用の電池の販売を中古品も含めて年内に開始する計画。広報担当者は同誌に、車載電池をソーラー発電パネル、電力管理システムと組み合わせて用いれば家庭ないし小規模業務用の蓄電池として簡単に利用できると語った。

ソーラー発電を行うドイツの150万世帯のうち蓄電池を持つのは現在、2万5,000世帯にとどまる。採算を取りにくいことが背景にある。

だが、コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の予測によると、同国ではリチウムイオン電池の価格下落と電力価格の上昇を受けて、ソーラーパネルで発電した電力の蓄電・自家消費が2017年にも採算に合うようになる見通し。テスラが低価格の家庭用蓄電池「パワーウォール」(米国の販売価格3,000ドル)を近く独市場に投入することもあり、需要は今後、急速に拡大する可能性がある。

ダイムラーは昨年5月、子会社ドイチェ・アキュモティブで開発・製造するリチウムイオン電池の用途を自動車以外の分野にも拡大することを明らかにした。自動車向けの需要が限られていることに対応。産業・家庭用蓄電池の販売も開始した。

上部へスクロール