特殊機械製造の独マンツ(ロイトリンゲン)は2月28日、中国の電機大手、上海電気が同社に資本参加する計画を明らかにした。マンツは経営が悪化しており、上海電気の支援を受けて再建していく考えだ。蓄電、太陽電池、オートメーションの分野で戦略提携することも取り決めた。これらの取引の成立には中国当局の承認が必要となる。
マンツは株主割当増資を実施し、新株およそ43%(発行後ベースで約29.9%)を発行する。引受価格は1株当たり最大40ユーロ。上海電気は既存株主が取得しない株式を引き受ける。筆頭株主で35.2%を保有するディーター・マンツ社長(創業者)と妻のウルリケ・マンツ氏(出資比率3.8%)は新株を引き受けないため、少なくともこの分は上海電気が取得することになる。
上海電気には増資終了後、ディーター・マンツ氏に対し議決権拘束契約(voting agreement)の締結を要求する権利が発生する。同契約が締結されると、両者は監査役任命など特定の案件について議決権を一体となって行使。意見が一致しない場合は上海電気が両者の議決権をすべて行使する。
議決権拘束契約を締結すると上海電気はまた、ディーター・マンツ氏の保有株を実質的に管理下に置くことになる(有価証券取得・買収法=WpUeG=29条の定義で)見通しで、この場合は他のマンツ株主からの株式買い付けを提案しなければならなくなる。同氏はその際、上海電気の出資比率が30.1%に達するようにすることを義務づけられる。また、増資後に上海電気が他の株主からのマンツ株買い付けを行わない場合(WpUeG29条の定義が当てはまらない場合)は、上海電気の出資比率が29.9%に達するようにすることを義務づけられる。
マンツは電池製造装置、太陽電池製造装置、ディスプレー製造装置の有力メーカー。顧客企業からの大規模なキャンセルや、電池製造装置の受注低迷を受けて経営が悪化しており、昨年末には従業員2,000人強のうち174人を削減する計画を発表した。