化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は2月25日、遺伝子組み換え(GM)作物分野の研究開発対象を絞り込むと発表した。同社が進める事業見直しの一環と説明している。農業化学市場の低迷と関係があるかどうかは明らかにしていない。
経営資源を抗菌性と除草剤への耐性が高い大豆や、オメガ3脂肪酸の含有量が多い菜種に絞り込む考えで、技術的なハードルが高いプロジェクト、および投資の額が多く期間も長期にわたるプロジェクトを中止する。具体的には収穫力の高い米、および抗菌性の強いトウモロコシの研究開発プロジェクトを取り止める。
これらの措置に伴い、ハワイのケカハ、インド、プエルトルコにある屋外試験場を閉鎖。また、米ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク(RTP)、アイオワ州エイムズ、独ベルリン、リンブルガーホーフ、ベルギーのガン、およびブラジルにある研究・試験拠点を縮小する。
GM作物分野の研究開発要員は現在およそ700人に上る。同社はその半数に当たる約350人を削減する考え。欧州が180人、北米が140人と大半を占める。