スイスアルプスの交通の要所であるゴッタルド峠に第2道路トンネルを建設する計画の是非をめぐる国民投票が2月28日行われ、賛成58%で建設が決まった。建設プロジェクトが2030年に終了するとゴッタルド道路トンネルは2本に増加。トンネルはそれぞれ一方通行となるため、正面衝突事故のリスクがなくなり安全性が大幅に向上する見通しだ。
ゴッタルド道路トンネルは欧州北部と南部を結ぶ交通の大動脈で、一般車両の通行量は年500万台、トラックは同90万台に上る。1980年の開通で老朽化していることから、政府は第2トンネルを建設したうえで現在のトンネルを補修し、トンネル数を2本に増やす計画を策定。2014年に議会で法案を成立させた。
これに対し緑の党、社会民主党、環境保護団体などはトンネルが2本になると車線数が4本に倍増するため交通量が増え、環境負荷が高まると批判。署名を集めて今回の国民投票を実現させた。
だが、ゴッタルド道路トンネルが2本に増えても、通行用の車線をそれぞれ1本に制限する計画のため交通量は増加しない見通しで、反対派は過半数の支持を得ることができなかった。