DMG森精機(以下:森精機)の独子会社DMG Mori(旧ギルデマイスター)は10日、2015年12月期の売上高と利益が前年に引き続き過去最高を更新したと発表した。数年前に開始した森精機との関係強化が奏功。売上高は前期比3%増の23億470万ユーロ、営業利益(EBIT)は5%増の2億4,310万ユーロへと拡大した。
純利益は32%増の1億5,960万ユーロと大幅に伸びた。保有していた森精機株をすべて森精機に売却したことで水準が押し上げられた。
16年12月期は新規受注高でやや増加、売上高で横ばいを見込む。森精機株売却の効果で15年12月期に24%増加した税引き前利益(EBT)については反動で大幅に減少すると予想している。
両社は09年に戦略提携。その後、協力関係を拡大してきた。DMG Moriの従業員サイドには当初、森精機への警戒感があったが、業績が着実に向上していったことから解消された。森精機はそうした事情を踏まえながらDMG Moriへの出資比率を段階的に高めていき、昨年春に52.54%を確保して子会社化した。その後さらに8.13%を取得したため、現在は60.67%を保持している。
DMG Moriの株価は好業績を受けて上昇基調にあり、昨年末時点の時価総額は1年前の水準を62%上回る30億140万ユーロへと拡大した。カピッツァ社長は、森精機との提携以前の業績低迷時は銀行との融資交渉で苦労したが、現在はそうしたことがなくなったと述べ、同提携は正しかったとの見方を示した。