ベンチャー企業支援強化へ、公的ファンド設立で民間資金呼び込み

ドイツ政府は15日、ベンチャー企業を資金支援するためのファンド2本を独復興金融公庫(KfW)などと共同で設立した。十分な規模の資金を調達できないために事業を拡大できないベンチャー企業が多く、同国経済にとってマイナスとなっている現状を改めることが狙い。新設ファンドがベンチャーキャピタルなどの民間投資家と共同で資金を供給する仕組みとすることで、ベンチャー企業が資金を獲得しやすい環境を整える。

KfWとは立ち上げ段階ないし成長の初期段階にある企業を対象とするファンド「コパリオン(coparion)」を設立した。経済省が管理する欧州復興プログラム(ERP)特別資産とKfWから計2億2,500万ユーロを拠出して設立された同ファンドは、民間投資家と共同でベンチャー企業に資金を供給する。1件当たりの資金供給額は最大1,000万ユーロ。支援対象となるベンチャー企業各社には民間投資家がコパリオンと同額かそれ以上の資金を供給する決まりであるため、資金供給枠は総額で最低4億5,000万ユーロとなる。

経済省はまた、独・欧州の市場開発に乗り出した急成長段階のベンチャー企業を支援対象とするファンドを、欧州投資銀行(EIB)傘下の欧州投資基金(EIF)と共同設立した。ファンドの規模は5億ユーロで、1件当たりの資金供給額は最大2,000万ユーロ。同ファンドも資金を民間投資家と共同供給する決まりで、ベンチャー企業への資金提供枠は総額で少なくとも10億ユーロに達する。

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