ダイムラー―つながるトラックに5億ユーロ投資―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は21日、トラックのネットワーク化事業強化策を発表した。当該事業を4月1日付で新事業ユニット「デジタル・ソリューションズ・アンド・サービシズ」に統合するほか、2020年までの今後5年間で約5億ユーロを投資。物流に関わるすべてのすべての人や企業がリアルタイムで情報を共有・活用できるようにする。

トラックを物流ネットワークの「移動データセンター」と位置づけており、運転手、配車係、修理工場、メーカー、保険会社、当局など輸送に関係してくるすべての人、企業、機関がトラックの状態や交通・天候など最新の情報を同時共有できるようにする。これにより渋滞の回避や物流効率の改善を実現。労働時間やコストの削減につなげられるようにする。

同社は同日、完全自動運転のトラック3台が車車間通信(V2V)を行いながら高速道路を縦に連なって車群走行(プラトーニング)するプロジェクト「ダイムラー・トラックス・システム・ハイウエー・パイロット・コネクト」の世界初公開もデュッセルドルフ近郊のアウトバーンA52号線で行った。3台は無線LANでつながっているため、先頭車両がブレーキをかけると、後続車両も0.1秒以内に連動して減速する。人が運転している場合は反応に1.4秒かかることから、プラトーニングは安全性が高く、車間距離を15メートルへと大幅に縮めることができる(人の運転では50メートル)。この結果◇走行時の空気抵抗が減り燃料消費量を7%削減できる◇3台の先頭から末尾までの距離がわずか80メートルに狭まり、道路空間の利用効率が高まる――といった効果が期待できる。

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