化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は15日、再生可能化学の有力企業である蘭アバンティウムと合弁会社設立の基本合意を締結したと発表した。100%植物由来の化学品であるフランジカルボン酸(FDCA)と、FDCAを主要原料とする包装材向けの新素材ポリエチレンフラノエート(PEF)の分野で主導的な地位を構築するとともに、量産技術を確立しライセンス供与することを目指す。
アバンティウムが開発した「YXYプロセス」というFDCAの生産方式をさらに発展させベルギーのアントワープにあるBASFの工場内に参照プラントを建設する。年産能力は最大5万トン。合弁会社ではFDCAを生産・販売するほか、PEFも販売する。
PEFは従来の樹脂に比べて二酸化炭素(CO2)や酸素(O2)といった気体の遮断性能が高いうえ、強度も高い。このためPEF製の包装材を用いると、食品や飲料の賞味期限が長くなるほか、包装材の使用量を削減できる。
アバンティウムは石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルからのスピンアウトとして2000年に設立された。