自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が22日発表した2015年12月期決算の営業損益は40億6,900万ユーロの赤字となり、前期の黒字(126億9,700万ユーロ)から大幅に悪化した。赤字額は過去最大。ディーゼル車排ガス不正問題に絡んで引当金162億ユーロを計上したことが響いた格好で、最終損益も108億4,700万ユーロの黒字から15億8,200万ユーロの赤字へと転落した。売上高は5.4%増の2,132億9,200万ユーロ、販売台数は2.0%減の993万1,000台だった。
16年12月期は売上高で最大5%の減少を見込む。南米やロシアを筆頭に世界の景気が低迷しているうえ、排ガス不正問題も尾を引くためで、特に乗用車部門で落ち込みが大きいと予想している。売上高営業利益率は5.0~6.0%となる見通しで、乗用車部門で5.5~6.5%、商用車部門で2.0~4.0%を見込む。販売台数は横ばいを予想している。
VWは15年12月期決算発表を当初3月10日に予定していたが、排ガス不正問題が同決算の数値にどう影響するかが定かでなかったため、延期した経緯がある。