ランクセス―利益予測引き上げ―

化学大手の独ランクセス(ケルン)は11日の決算発表で、2016年12月期の営業利益(EBITDA、特別要因を除く)見通しを引き上げた。年初から好業績が続いているためで、従来予測の8億8,000万~9億3,000万ユーロから9億~9億5,000万ユーロへと上方修正した。

16年1-3月期(第1四半期)のEBITDA(同)は2億6,200万ユーロで、前年同期を14.4%上回った。販売量の増加や為替差益のほか、アジアの新工場立ち上げに伴う初期コスト負担がなくなったことが大きい。純利益は前年同期(2,200万ユーロ)の2.4倍の5,300万ユーロへと急拡大した。

売上高は19億2,000万ユーロで、5.8%減少した。原料である石油の価格下落を販売価格に反映させたことが響いた格好。売上高営業利益率は11.2%から13.6%へと上昇した。

同社は主力製品である合成ゴムの価格下落を受けて業績が悪化したため、自動車産業への依存度を引き下げる取り組みに着手。合成ゴム事業をサウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコとの合弁会社(アルランクセオ)に4月1日付で切り替えた。また同25日には、米ケマーズから消毒・衛生用品事業を約2億1,000万ユーロで買収することを明らかにした。

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