テレフォニカ―独でモバイルバンキング事業立ち上げ―

スペイン電気通信大手テレフォニカの独法人テレフォニカ・ジャーマニー(ミュンヘン)は12日、モバイルバンキングサービスを今夏から開始すると発表した。移動通信サービス部門O2の顧客向けに幅広い金融サービスを提供していく。ドイツではフィンテック(金融関連のITスタートアップ企業)のナンバー26が口座管理手数料や引き出し料金が一切かからないオンライン振替口座サービスを提供するなど、モバイル金融サービスが活発化している。移動通信の顧客数が国内最大のO2で同様のサービスを開始すれば、利用人口は急速に増える可能性がある。

独オンラインバンキング事業者のフィドール・バンク(Fidor Bank)と提携し、「O2バンキング」というブランド名でサービスを行う。顧客はわずか数分で口座を開設できる。利用者は振替や定期振り込みなどのほか、クレジットカード「マスターカード」を手数料なしで利用できる。

預金には金利を付けず、代わりにハイスピードデータ通信の容量枠を拡大する(O2バンキングを給与振り込みに利用するか、定期的にクレジットカードを利用する顧客が対象)。欧州中央銀行(ECB)

の金融緩和政策を受けて超低金利が続いていることから、消費者を引き寄せる効果が大きいと同社はみている。

O2の顧客数は現在4,300万人。同社はそのうちどの程度がO2バンキングを利用するかの見通しを明らかにしていない。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が経営陣の情報として報じたところによると、立ち上げから3年で200万~300万人に達すると予想している。

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