保険大手の独アリアンツ(ミュンヘン)は10日、台湾子会社の安聯人寿保険(Allianz Taiwan Life Insurance)が保有する生保契約およそ8万件を台湾人寿保険(Taiwan Life Insurance)に売却することで合意したと発表した。保険会社を対象とする欧州の新資本規制「ソルベンシー2」が1月に施行されたことを踏まえた措置。今回の取引により財務負担を軽減する考えだ。下半期の売却手続き完了を見込む。
ソルベンシー2では長期の利回り保証付き生保商品について自己資本を高く積み立てることを保険会社に義務づけている。アリアンツはこれを受けて、そうした生保商品を減らす方向に動いており、台湾人寿にもその種の既存契約を譲渡する。
アリアンツのオリファー・ベーテ社長は2月、韓国と台湾の生保事業の高い保証利回りが業績圧迫要因になっていることを明らかにした。韓国の生保子会社アリアンツ・ライフ・インシュアランス・コリアについては中国の安邦保険グループに売却することで4月に合意が成立しており、今回の取引により台湾の生保事業にもメスを入れた格好だ。