独銀の‘及び腰’にイランが失望

イランに対する欧米の経済制裁が解除されたにもかかわらず、ドイツ企業の進出が足踏み状態にとどまっている。米国の制裁を恐れて金融機関が対イラン投資への融資をなおも見合わせているためだ。イラン側には失望感が広がっている。

欧米の経済制裁はイランの核合意履行を受けて1月に解除された。これを受けて同国を訪問する政治家や経済人は増えているものの、具体的な契約や投資にはほとんど結びついていない。米国は制裁をすべては解除しておらず、これが金融機関の‘及び腰’につながっているためだ。ケリー国務長官は「国際的な銀行はイランとの合法的な取引を行うことができる」と明言しているものの、どこまでが米国の許容限度なのかの線引きが明確でないという。

モハマド・ナハバンディアン大統領府長官は「ドイツは現在のチャンスを積極的かつ迅速に活用すると期待していた」と述べ、失望感を示した。イラン商工鉱農会議所のモーゼン・ジャラルプール会頭は、経済制裁下では欧米に代わってアジア諸国家がイラン経済で大きな役割を果たしていたと指摘したうえで、「すべての条件が同じであるならば我々は欧米でなくアジアの企業と協働したい」と明言した。

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