自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマティアス・ミュラー社長は20日、独北部のヴォルフスブルクで管理職数百人を前に講演し、2025年までの長期経営戦略を説明した。講演原稿の抜粋をもとにロイター通信が報じたところによると、これまでヴォルフスブルク本社に集中していた権限を各ブランド・地域に分散化し、本社の主な役割をグループ全体の統制・統合へと絞り込む考えだ。
ミュラー社長は、自動運転やデジタル化など将来のカギを握る技術に投資を行うためにはまず資金を稼がなければならないと指摘。そのためには12あるブランドの共食いを減らす必要があるとの認識を示した。年1,000万台の販売規模を持つにもかかわらず、それにふさわしいスケールメリットとシナジー効果を引き出していないとの反省がある。
同社長は新戦略の詳細を株主総会(6月22日)前の6月中旬に発表する予定。