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2016/6/1

総合 - ドイツ経済ニュース

成長率予測を1.5%に引き上げ、建設と消費がけん引車に=商工会議所

この記事の要約

独商工会議所連合会(DIHK)は24日発表した企業景気アンケート調査レポートのなかで、ドイツの今年の国内総生産(GDP)予測を上方修正した。企業の先行き見通しがやや改善しているうえ、雇用情勢も予想以上に堅調なためで、年初 […]

独商工会議所連合会(DIHK)は24日発表した企業景気アンケート調査レポートのなかで、ドイツの今年の国内総生産(GDP)予測を上方修正した。企業の先行き見通しがやや改善しているうえ、雇用情勢も予想以上に堅調なためで、年初予測の実質1.3%増から同1.5%増へと引き上げた。建設と消費がけん引車となり、景気は内需主導で拡大するとみている。

DIHKは毎年、年初と初夏、秋の3回、会員企業を対象に大規模な景気アンケート調査を実施しており、今回の初夏の調査では2万4,000社強から有効回答を得た。業種別の内訳は製造が28%、建設が7%、流通が22%、サービスが43%となっている。

同調査結果によると、事業の現状を「良い」とする回答は前回調査(年初)の46%から43%へと減少。「悪い」は1ポイント増の9%となったため、「良い」と「悪い」の差は過去最高となった前回(38ポイント)から4ポイント減の34ポイントに縮小した(下のグラフ参照)。歴史的な低金利と規制強化を背景に銀行、保険業界で現状判断が特に悪化。製造業も資源国や中国の景気低迷を受けて判断がやや悪化した。一方、小売と建築は低金利や難民急増が追い風となり判断がこれまで以上に上向いている。製造業でも石油安の恩恵を受けるゴム・樹脂製品業界は判断が良好だ。

今後1年間の事業見通しを「良い」と回答する企業の割合は前回の24%から25%へとやや増加した。「悪い」は横ばいの13%で、「良い」と「悪い」の差は前回の11ポイントから12ポイントへと広がった。小売、消費者向けサービス、建設で先行き見通しが良好で、これまで振るわなかった土木も政府の道路投資拡大やブロードバンド網敷設支援策を受けて大幅に改善した。一方、銀行業界では「悪い」が「良い」を37ポイントも上回り、前回から9ポイント悪化した。

製造業の輸出見通しに関しては「増える」との回答と「減る」との回答の差が前回の20ポイントから17ポイントへと縮小した。中間財と投資財業界で悪化が目立った。