自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が電気自動車(EV)やハイブリッド車に用いる電池の自社生産を検討しているもようだ。EVなどの需要が今後、拡大することに対応することが狙い。パナソニックやLGなど日韓の有力サプライヤーから調達することも選択肢の1つであるものの、主要部品である電池を自社で手がけないと外部依存度が高まることから、工場建設が射程に上ってきた。管理職から得た情報として経済紙『ハンデルスブラット』などが報じた。
ガソリン、ディーゼル車は有害物質を排出することから将来的に大都市への乗り入れが禁止される懸念があり、電気駆動車に軸足を移していくことは自動車メーカーの重要な課題となっている。VWは排ガス不正問題で企業イメージが悪化しており、EVやハイブリッド車の強化には「環境に優しい」という評価を獲得できるメリットもある。
VWグループの電気駆動車販売台数は昨年、ハイブリッド車を含めて6万7,000台だった。同社はこれを今後10年で100万台に拡大する考え。
EVは電池が高額なため販売価格が膨らみ、利益を出すのが難しい。米EVメーカーのテスラはこれを踏まえ、巨大工場を作って量産効果で電池コストを引き下げる考えだ。VWも同様の構想を持っており、数十億ユーロの巨額投資で電池工場を建設する考えという。
同工場はサプライヤーとの合弁となる可能性が高いもようだ。提携先のサプライヤーとしては日韓メーカーのほか、独企業のボッシュやコンチネンタルが考えられるという。