電力大手のバッテンフォールとミュンヘン市エネルギー公社(SWM)は5月30日、洋上風力発電タービンの設置期間を大幅に短縮する方式を電機大手のシーメンスと共同開発したと発表した。両社が北海に開設の洋上風力発電パーク「ザントバンク(Sandbank)」の建設で採用。タービン設置開始から操業開始までの期間を当初計画より23%(89日)短くできる見通しだ。
同方式では作業チームを現場に運ぶだけでなく、宿泊もできる特殊な船舶を利用。これにより移動時間の無駄を省く。また、同船舶は船体の揺れを緩和する特殊な可動式連絡橋(ギャングウェイ)システムを搭載しており、波が高くてもチームがタービンで作業できる。最大2.5メートルの波に対応できることから、作業可能な日数が増える。これまでは天気が悪い日は安全上に理由から作業を見合わせなければならず、特に秋と冬は進捗状況が悪かった。
ザントバンクはバッテンフォールが51%、SWMが49%出資するプロジェクトで、ジルト島の沖合90キロの海域に設置される。発電容量4.0メガワット(MW)のシーメンス製タービン「SWT-4.0-130」合わせて72基を投入。総発電容量は288MWに上る。
昨年7月に着工した。今年8月からタービンの設置を開始し、来年には発電を始める予定だ。