乳牛農家に緊急支援、農相が明言

ドイツのクリスティアン・シュミット連邦農業相は5月30日、乳牛農家、乳製品メーカー、小売店の代表と会談し、牛乳価格急落への対応策を協議した。同農相は会談後の記者会見で、少なくとも1億ユーロの緊急支援を連邦(国)が実施する考えを表明した。6月上旬には州の農業相とも協議し各州に対策を促す意向だ。

ドイツでは2日、ディスカウントスーパー大手のアルディが1リットルパック入り牛乳(要冷蔵)の店頭価格をそれまでの59セントから46セントへと引き下げた。これを受けレーベは同日午後、46セントに下げ、ノルマも追従した。

牛乳の出荷価格は1リットル当たり現在28セントで、2年前の約40セントから大幅に下落。乳牛農家の経営は苦しくなっている。牛乳は世界的に供給過剰に陥っていることから、同価格は今後さらに低下する可能性があり、農業団体からは数千軒の農家が廃業を余儀なくされるとの声が出ている。

シュミット農相はこれを受けて今回の緊急会談を開催。乳牛農家に融資保証や税優遇措置などの形で1億ユーロ以上の支援を実施すると確約した。

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