道路上に設置した電線から電力の供給を受けて走行するディーゼルハイブリッドトラックの実用テストを、電機大手のシーメンスと商用車大手のスカニアがスウェーデンで実施する。二酸化炭素(CO2)排出削減を目指す同国政府の取り組みの一環で、22日にスタートした。テスト期間は2年で、成果が上がれば本格的に導入されることになる。
首都ストックホルム北部を走る高速道路E16号線の2キロ区間でテストを実施する。シーメンスが同社の架線給電システム「eハイウェーズ」を提供。ディーゼルハイブリッドトラックはスカニア製の2台を利用する。eハイウェーズが公道で利用されるのは今回が初めて。
同車両は架線から電力の供給を受けて走行する。電力供給を受けられない場合は動力源が軽油に切り替わる。シーメンスによると、エネルギー消費量はディーゼル車の半分で、有害ガスの排出量も軽減される。eハイウェーズは天然ガスと架線給電のハイブリッドや、車載電池と架線給電のハイブリッドでも利用できる。
スウェーデン政府は化石燃料への依存から2030年までに脱却する方針を打ち出している。同国のCO2排出量の3分の1以上は交通セクターで発生し、その約半分が物流に起因していることから、今回のテストを実施する。
シーメンスは現在、米カリフォルニア州にもeハイブリッドシステムを建設している。南岸大気管理局(SCAQMD)から受託。ロサンゼルス空港とロングビーチの周辺で来年、実用テストを実施する。トラックはスウェーデンのボルボが提供する。