エボニック―西社の飼料用プロバイオティクス事業を買収―

特殊化学大手の独エボニック(エッセン)は5日、スペインの飼料添加剤大手ノレル(NOREL)からプロバイオティクス事業を譲り受けることで合意したと発表した。食の安全に対する消費者の意識の高まりを受け、抗生物質を使わない飼料の実現を目指す考え。取引金額は公表しないことで合意した。

プロバイオティクスは人体や動物に良い影響を与える微生物ないしそれらを含む製品、食品。畜産農家では疫病の発生を抑制するために餌のほか抗生物質も投与している。これが抗生物質の効かない耐性菌の発生につながり、大きな社会問題となっていることから、エボニックは抗生物質の代わりにプロバイオティクスを投入することで家畜の健康を促進できるようにする考えだ。

ノエルからはプロバイオティクス製品ポートフォリオとスペインのレオンにある工場を取得する。同ポートフォリオは養鶏、養豚、養殖向け。エボニックは今回の買収により、世界20カ国以上の飼料用プロバイオティクス市場に参入する。

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