ダイムラー―営業増益確保、4-6月期+5.5%に―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は11日付の適時開示報告で、2016年4-6月期(第2四半期)の営業利益(EBIT、特別要因を除く)が前年同期比5.5%増の39億7,300万ユーロに拡大したことを明らかにした。アナリストの予想平均がこれを5億ユーロ以上、下回っていたため、有価証券法の規定に基づき数値を公開しなければならなくなった。

EBIT(同)を部門別でみると、好調だったのはバンで、前年同期(2億3,800万ユーロ)の約2倍の4億6,200万ユーロに拡大した。バスと金融サービスも増益を確保した。

乗用車部門は利幅の大きい中大型車「Eクラス」のモデルチェンジを目前に控えていたことが響いて1.1%減の22億900万ユーロに縮小。トラック部門も北米、ブラジル、中東市場低迷の影響で7.8%減の6億6,100万ユーロに落ち込んだ。

同社は特別要因でEBITが7億1,500万ユーロ押し下げられたことも明らかにした。タカタ製エアバックのリコールで4億4,000万ユーロ、法務リスクで4億ユーロを計上している。法務リスク引当金計上の理由は明らかにしていないものの、トラックカルテルに伴う欧州連合(EU)の制裁金、ないし同社製ディーゼル車の所有者が米国で起こした集団訴訟が考えられる。

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